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忘れ去られた戦争

国境なき医師団日本主催の写真展「コンゴ民主共和国:忘れ去られた戦争」を見てきた。写真展の作品を見るに先立って、「コンゴ:人質にされた平和」のフィルムを鑑賞する事が出来た。

2002年の和平合意と共に内戦が終結したコンゴ民主共和国。しかしその長かった内戦の為、国そのものが疲弊しきっており、復興するにはまだまだ長い時間を必要とするような映像であった。

政府軍と民兵の対立の間には、沢山の村人たちが存在する。彼らは、衣食住全てを奪い取られ、村を焼かれる。内戦のさなか、人の醜い部分の全てが集結されたような状態に陥っている。一般市民を狙った、暴力や殺戮、レイプが依然として横行している。彼らは村や家族を失った上に、人としての尊厳すら奪い取られてしまう。人はそれ程までに、無慈悲になる事が出来るのかと考えさせらる映像が流れる・・・

和平合意とは名ばかりで、未だに戦闘が起きている地域が残っている。

避難民キャンプは既に定員オーバーの状態で、むき出しのコンクリートの床に、布一枚で仕切られた空間で暮らさなければならない。極端な貧困と医療施設の欠落。そんな状況下では、病気も蔓延する。

戦争と同じで、病気は弱いものから襲い掛かる。乳幼児は極度の栄養失調で命を落とす。マラリアや呼吸器系疾患、コレラなど、日本でなら予防や治療可能な病気でも・・・。衛生状態が極度に悪化している地域では、清潔な水で薬すら飲めない状態だそうだ。それどころか、薬そのものが行き渡っていない。

ジェームズ・ナクトウェイの作品が数点あった。全てモノクロ写真。モノクロで情報量を抑える事によって、問題の本質を捉え易くなる。カラーであったら見るのがやっとで、本質を考えるのが辛くなる。

以前、セバスチャン・サルガドの作品を偶然目にした時、直感的に「美しい」と思った。真っ青な空に真っ白な大地、そして褐色の肌。しかし、そこに写し出されているのは、ひび割れた大地を歩くソマリアの難民の親子。「美しい」と感じた自分に罪悪感を覚え、それが、このような問題に目を向け始める事となった。サルガドの作品は皆、一見すると美しいが本質は悲惨な現実が映し出されている。

写真の持つ力で、多くの人が関心を持つ事を願う。

コンゴ民主共和国のように「忘れ去られた」国が世界には他にも存在する。そこには、平和を願いながらも奪われる命がある。平和を願うことは容易だが、それを実現するのは途方も無いくらい難しい。

なぜなら、平和を願わない人間もいるから・・・

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