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核を追う テロと闇市場に揺れる世界

この本の元になったのは、朝日新聞が掲載した「核を追う」シリーズである(本書 あとがき より)

1987年に米・ソ間で調印された「中距離核戦力(INF)全廃条約」により、ようやく核軍縮に向かうかに思えた世界。21世紀に入った世界は再び核への依存に向かっている。

インド、パキスタンによる核実験の成功。パキスタン・カーン博士の闇ネットワークの存在。イランによるウラン濃縮開始宣言。そしてアメリカの核による先制攻撃も辞さないと明言したブッシュ・ドクトリン。

特に日本を取り巻く状況は、北朝鮮の核開発(保有)宣言によって大きく動き始めた感じがする。日本は唯一の被爆国として世界に核軍縮を訴えてきたが、それと同時に、アメリカの「核の傘」による核抑止力にも依存している。

世界には核兵器を持つ事が許されている国(米英仏ロ中、インド、パキスタン、潜在的核保有国のイスラエル)と、それ以外の核兵器を持つ事が許されていない国に分かれている。これは明らかに不平等である。核兵器によるパワーバランスを考えれば、イランや北朝鮮が核抑止力を欲するのも解らなくない。

過去の日本にも核武装に傾いた歴代総理が2人いたそうだ(池田勇人と佐藤栄作)驚くと同時に納得も出来る。資源の少ない日本は核武装して大国と対等に渡り合わなくては生きてはいけないと考えても不思議ではない。ただし被爆国の日本国民は核武装に対する拒否反応が激しく、それを理解している内閣も決して核武装に走る事は無かった。

果たして現在もそうだろうか?

北朝鮮が核武装したら、今の日本国民は核武装に拒否反応を示すだろうか?

小泉内閣の誕生により日本はかなり右翼化傾向が出てきている感じがする。国際強調よりも単独行動主義のアメリカを支持してきた。自国の利益を最優先しても構わないとした内閣を国民は支持してきている。安部さんもその傾向が強いと感じるがかなりの人気者のようだ。

もし今自国防衛を唱える政治家が出てきたら、核武装を唱える政治家が出てきたらそれに同調する国民がいないとは言い切れないような感じもする。

世界(特にアジア各国)が懸念するほどの余剰プロトニウムの保有国でもある日本は、核武装しようと思えば数年後には核保有宣言しているだろう。

核保有するメリットとは何だろう。

唯一、相手(北朝鮮や中国)から核攻撃を受けないぐらいだろう。だからと言って北朝鮮や中国と関係が友好になるとは思えない。一段と対立が激しくなるだけだろう。現にインド/パキスタンは両国が核保有してからも、通常兵器での戦闘が断続的に続いている。

以前の世界は、現在の核保有国以外が核保有(核拡散)する事を悪としてきた。しかし今は誰が核保有するかが問われている。極端な話、アメリカの同盟国であれば核保有しても構わないという事になりつつある。インドはアメリカとの経済的結びつきが強くなってきたので、核保有にアメリカはお墨付きをした。パキスタンもアフガニスタン攻撃/アルカイダ殲滅作戦の功績により核保有国の仲間入りを黙認されたも同然。

イランが核武装しても石油の供給国の地位があればアメリカは黙認しかねない。

他国の核保有をアメリカが左右するのも納得できないが、それが核保有している超大国の力でもあり、北朝鮮やイランが求めて止まないものでもあるのだろう。

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