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韓国映画界からの引退を示唆するような発言をした、キム・ギドク監督。

10009876901_1 今作品”弓”は彼の心情を表した作品になっていると考えるのは無理があるだろうか?

洋上に浮かぶ釣り船屋に暮らす老人と、その老人がいつの頃ともなく連れてきた少女との生活。

老人は少女を愛しむ様に日々を送り、また少女もその老人の愛に包まれて生活をしている。

少女が17歳になったら結婚する事を夢見、それまでは夜毎、手を繋ぐだけの”至上の愛”。「うつせみ」同様2人には言葉などいらない。

そんな時、釣り客として訪れた青年に少女は人目惚れ。そして弓の糸が切れるように老人との間に亀裂が入る。

キム・ギドク監督が”弓”に何を投影しているのか考える。単に”至上の愛”を語るだけの作品では無いように思える。

洋上に浮かぶ釣り船が、保守的とも思われる韓国映画界。

老人がその韓国映画界を牛耳る権力。

少女がキム・ギドク監督。

世界が認めたキム・ギドク監督の才能は、韓国映画界(釣り船)には手狭すぎる。保守的過ぎる考えでは表現しきれない作品であるがために、各方面からの批判も受ける。

老人(権力)が少女(キム・ギドク)に対する愛は、青年が現れるまでは一方的な愛である。青年の出現によりその愛に疑問を感じた少女が取った行動が自然なものだ。

老人が結婚の日取りを早めようとしたり、ロープを切断しようとしたのを隠したりする姑息な手段は、韓国映画界への皮肉のように感じたりもする。

そして最後には釣り船は沈んでいく・・・

弓(http://www.eigaseikatu.com/title/15937/

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コメント

TBありがとう。
うーん、なかなか、おもしろい解釈ですね。
僕にはね、そういう比喩で言えば、ギドクが老人、少女は芸術というか美、そして青年は常識をふりかざす世間、あるいは見た目を繕う韓国映画界・・・・。
ちょっと、無理があるかな(笑)

>kimion20002000さん
『弓』は全ての観客によって解釈が違う映画だと思います。
その人の歩んできた人生観が色々反映されてくる面白い作品ではないでしょうか。

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