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フォト・リテラシー(報道写真を読む倫理)

41wtpgelcdl_sl500_aa240_ 今橋映子著

以前「DAYS JAPAN」誌の編集人/広河隆一氏の講演で、この「フォト・リテラシー」の話題になったのを思い出した。

「写真を読み解く能力」とでも訳すのか、一枚の写真からその背景を読み解く事を言っている。

写真の世界(特に報道写真の分野)では「決定的瞬間」が”魔法の言葉”のように使われる。

人の人生を左右する一枚の写真。

世界を動かす一枚の写真。そんな写真であるが、その真偽については色々と言われている。本書を読むと、現代に知られた「決定的瞬間」の写真にも可也の部分で演出が成されていた事にきずく。しかし初期の報道写真には演出を含めた上での作品が多々ある事にもきずかされる。

カメラの歴史において、現代ほど写真が身近に感じる時代は無いだろう。なにせ私もデジタル一眼レフを所有し、気軽に写真撮影を楽しんでいる。

それこそ携帯電話を持っている人は、基本的にはカメラを毎日持ち歩いてる事と同じだ。「決定的瞬間」は何もプロのフォトグラファーだけが所有する魔法では無くなった。

イラク戦争での最も象徴的な写真にも数えられる「アブグレイブ刑務所での捕虜虐待」写真は、一兵士が撮影したものだし、秋葉原での惨劇も多くが一般の人達の撮影写真である。今後の世界では、街角に設置された無人の監視カメラが「決定的瞬間」を収める事になるかもしれない。

撮影者に意思や思い入れが少ない写真が新聞の一面を飾るようになると、なお更「フォト・リテラシー」の必要性が出てくるだろう。写真の背景を観察し読み取れないと、情報発信者(マスコミ)に我々の意識がコントロールされてしまう危険性が出てくる事も考えられる。

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