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世界報道写真展2011

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「また1年経ったな」そんな思いがあります。

世界報道写真大賞/ジョディ・ビーバーが撮影した『夫の家から逃げ出した罰として、両耳と鼻を削ぎ落とされたアイシャ』のポートレートが目を惹きます。

18歳のアイシャ。美人の面影がある端正な顔立ちではあるが、その中心にあるべき鼻が無い。

写真のインパクトもさる事ながら、「何故、アイシャは自分の姿を写真に残す決意をしたのか」を考える1枚である。

その答えは、アイシャの力強い眼差しにあるのではないかと思う。差別や迫害に屈しない強さと決意の表れのポートレートであろう。

ヴィンセント・ユーが撮影した『北朝鮮の平壌で軍事パレードを観覧する金正日総書記と金正恩氏』も何かインパクトのある写真だ。

これが、ある意味世界を代表する2人なのだと思うと、恐怖感すらある。この2人が何を考え如何に行動するかを世界が注視している。

ハイチを襲った地震後のポルトープランスを、オリヴィエ・ラバン=マティ、ダニエル・モレルの2人が撮影した作品群も目を惹いた。

その中で、遺体を放り投げている1枚は衝撃的であった。国民の95%がキリスト教徒でもある国ではあるが、死者への慈しみすら感じる事が出来ない光景である。長く内戦状態にある国勢が人々の心をも破壊してしまっているかのように感じる。

『現代社会の問題』部門では、

エド・カシが撮影した『枯葉剤の後遺症とおもわれる障害を患っているベトナムの少女』

サラ・エリオットが撮影した『中絶は犯罪とみられるケニアで違法に営業している中絶施設』

が取上げられている。

戦後40年が経過したベトナム戦争ではあるが、未だに終わらない戦後の現実をまざまざと写している。

また、ケニアの中絶施設の組写真は衝撃的である。違法どころか殺人に近い状態である。単に中絶施設を摘発しただけでは問題の解決にはならないであろう問題の深さを感じる。

『自然』部門では、

ベンジャミン・ローウィが撮影した『メキシコ湾での海洋石油掘削基地の原油流失事故』の写真には、色々考えさせられる。

来年の作品には、福島第一原発での海洋汚染、大気汚染の写真が取上げられる事になるのではないか。残念ながら環境テロリスト国家に陥った事は自覚しなければならない。

来年の会場には、東日本大震災や福島第一原発事故の写真が受賞するかもしれない。願わくば、そこに写る人々に少しでも笑顔が戻っている事を願いたい。

東京都写真美術館で、8月7日まで開催中。

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